簡単にいうと…
階段とは
高低差のある場所へ歩行移動するための
構造物です。
日本の古語では「階(きざはし)」とも書きます。ちょっとかっこいいですね。
ここでは、家屋内の階段について説明します。
詳しくいうと…
階段の構造
基本的な階段は、足を置く踏板、踏板同士を垂直に連結する蹴上(けあげ)、踏板と蹴上を支える桁からなります。
このように、踏板を側面から桁で支える階段を側桁(がわけた)階段と呼びます。
その他、桁を用いず、高階と低階の床面の2点間で踏板などを支える階段を版(はん)階段といいます。
こちらはすっきり見えますが、踏板全体にかかる負荷が高いため、木材ではなく、鉄筋コンクリートなどの高強度素材が用いられます。
階段の詩学
階段には、どこかひとをワクワクさせるところがあります。
互いに見知らぬ空間である1階と2階を接続してくれる、という異邦性だけでなく、そこには垂直性にまつわる夢想が漂っています。
たとえば下降。2階の自室から、踏板を一段一段降りて、家族と過ごし食事をする1階のリビングへ降りてゆくとき、そこでは個人の空間と共同の空間とが垂直に区別されており、階段を降りることは個人空間→共同空間の遷移と同義です。
そして上昇は、その逆に、共同空間→個人空間への遷移です。踏板を一段一段上がるとき、わたしたちの心はひとりでくつろぐモードに準備されつつあります。
これらの心的様態に加えて、屋根裏部屋のある家なら階段の上昇は孤独の象徴をとり、地下室のある家なら階段の下降は大地の象徴とセットです。屋根裏部屋も地下室も、どこか不気味でひとを引き付けるイメージをまとっています。
子どもたちが(そして大人も)、積み木の家や建築系ゲーム内でひとつの階段を設置しようとするとき、その階段は往々にして、こうした何らかの心的イメージや象徴によって意味づけられています。
また、階段を二段飛ばし、三段飛ばしで駆け上がり、駆け降りるときのリズムには、たんに急いでいるというだけではなく、これらイメージや象徴と自身との距離感のあいだでの、ひとつの遊びが存在しているように思われます。
以上のように階段は、高低差のあるフロア同士のアクセスを可能にさせ、桁や床面によって支えながら、その踏板を通してひとを移動させることで、空間をいっそう広げ、折り畳み、多様にしているのでした。
さらに知りたいなら…
空間の詩学(1957年)
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つまり…
階段とは
高低差のある場所へ歩行移動するための
構造物なわけです。
20世紀フランスの哲学者ガストン・バシュラールは、『空間の詩学』という作品のなかで、こうした家の垂直性にまつわる夢想を分析しているぞい。
歴史のツボっぽくいうと…
- 紀元前10世紀~紀元後3世紀頃日本最古の階段日本の弥生時代に、棒に凹凸をつけて階段として用いられた丸棒階段が用いられる
<参考文献>(2019/10/19 visited)