この用語のポイント
簡単にいうと…
ターボプロップエンジンとは
プロペラの回転と排気流の勢いによって推進力を得る航空用エンジンな
技術個体です。
低速航空機向けに20世紀後半に用いられ、現在は高性能ターボファンエンジンに置き換わりつつありますが、そのプロペラ機のクラシカルな姿はいまでも憧憬の対象です。
ちなみに「プロップ(prop)」とは、英語でプロペラの意味です。
詳しくいうと…
小型飛行機のなかには、機体の先端にプロペラのついたタイプがあります。
あれがターボプロップエンジンの搭載機です。
エンジン内部はこんな形をしています。
熱機関としてのプロセスは、ガソリンエンジンなどと同じく4つの行程を経ます:
行程①:吸気
行程②:圧縮
行程③:燃焼・膨張
行程④:排気
これらプロセスをひとつずつみてゆきましょう。
行程①:吸気
最初に吸気です。
プロペラ根本にある空気取り入れ口(エア・インテイク)という隙間から、エンジン(=航空機)前方からやって来る空気流が続々と入ってきます。
行程②:圧縮
次に圧縮です。
吸気された空気流は、タービン状の圧縮機の高速回転によってぎゅっと圧縮されます。
行程③:燃焼・膨張
つづいて燃焼・膨張の行程です。
ターボプロップエンジンではとくに大事な行程になります。
圧縮された空気流に対して、気化燃料と点火プラグのスパークとが燃焼を生じさせ、この燃焼ガスの勢いによってタービン翼を高速回転させます。
このタービン翼はシャフト(軸)を通じて、前方のプロペラを回転させます。
プロペラの回転により、前方へ進む推進力が生じます。プロペラの力で前進するわけですね。
また、タービンとプロペラとの間にはギアボックスが挟まっており、タービンの高速回転をプロペラの低速回転へと減速させる働きがあります。
行程④:排気
最後に、排気です。
燃焼後の排気ガス流が、エンジン後部の排気ノズルから排出されます。
この排気の勢いによっても、プロペラほどではないですが、前進するための推進力が生じます。エンジン全体が生む推進力の10~25%程度がこの排気時に生まれます。
以上の4行程が、たえずエンジン内部で働きつづけています。
さらに知りたいなら…
つまり…
ターボプロップエンジンとは
プロペラの回転と、排気流の噴射によって推進力を得る航空用エンジンな
技術個体というわけです。
歴史のツボっぽくいうと…
1940年 ハンガリーのガンツ社が、
初めてターボプロップエンジン搭載航空機の地上試験を行なう。
1945年 イギリスのロールス・ロイス社が、
初めてターボプロップエンジン単独搭載航空機の飛行を成功させる。
<参考文献>(2018/09/08 visited)