この用語のポイント
簡単にいうと…
クランクシャフトとは
上下運動を回転運動へ変換する軸
という技術要素です。
クランク(ハンドルのような、回転運動を他の運動に変える機構)に、シャフト(軸)が付いた形状をしています。
ちなみに「クランク(crank)」とは、「風変わりなひと」「気難しいひと」という意味があり、クランクシャフトの蛇腹形状のことも指しているのかなと思えてきます。
ここではレシプロエンジンにおけるクランクシャフトを説明します。
詳しくいうと…
クランクシャフトは、とくにレシプロエンジンで広く利用されています。
右図のように、ピストンの往復運動を回転運動に変える役割があります。しかし右図のままだと竹にしか見えません。
そこで、もうすこしちゃんと描いてみます。
すると、じつは左図のような凹凸形状をしていることがわかります。
構造
クランクシャフトを構成している部品は以下の通りです:
・クランクアーム
・クランクピン
…2つペアになって凸状を形成します。
・カウンターウェイト
…クランクアームのお尻についた重りで、回転速度を一定化させ低振動化に役立ちます。
・クランクジャーナル
…凹凸を貫く横軸です。
・コネクティングロッド
…クランクピンとピストンを結ぶ棒です。
仕組み
左図は、横一列に並んだ4気筒エンジンのピストンに連動したクランクシャフトの動作です。
ピストンの上下移動に合わせて、各クランク部分がぐるぐる回転します。
この際、コネクティングロッドは上下方向のみならず左右方向にも振れながらピストンを押したり引いたりしています。
これら4つの回転運動が、一緒になってクランクジャーナル(横棒)を回転させます。エンジンなので、すごい勢いで回します。
こうしてクランクシャフトのおかげで、ピストンは安心して上下運動をし、それらが回転運動へと変換され、最終的に車のタイヤがくるくると回って、わたしたちの車移動を日々助けているのです。
さらに知りたいなら…
つまり…
クランクシャフトとは
上下運動を回転運動へ変換する凹凸形状の軸
という技術要素です。
この蛇腹状の回転するさまを眺めていると、THE・メカニカル!という気がしてくるのぉ。
歴史のツボっぽくいうと…
3世紀頃 ローマ帝国の文献に、クランクとコネクティングロッドを組み合わせた
機構が記される。
1206年 現在のトルコの機械工学者アル=ジャザリーが
クランクシャフトを用いたシリンダー-ポンプの機械について記す。
<参考文献>(2018/09/26 visited)