情報・通信

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簡単にいうと…

情報・通信とは

 コンピュータの処理とそれら端末間の通信網

という生産された技術です。

英語ではICTInformation and Communication Technology)と書きます。

詳しくいうと…

情報・通信の成り立ち

情報とは、生物にとっての「意味」であり、行動や思考を促す何物かのことです。

たとえば、危険が迫った際の「逃げろ!」という叫び、他の集団へ合図を送る狼煙(のろし)、あるいは殺人現場に残された足跡は、いずれも逃走、覚悟、追跡をホモ・サピエンスに促す情報です。

これら情報の多くが、集団において、他のホモ・サピエンスから別の個体へと伝達されるものである以上、情報が通信とセットで、互いに密接に語られるのは自然なことでした。情報とは「伝達されるべきもの」であり、通信とは「情報を流れさせるもの」だというわけです。

 

18世紀に電磁気学が生まれ、19世紀に電力機器が、20世紀に回路をはじめとする電子機器が登場するにつれ、これらホモ・サピエンスの活動としての情報・通信は、舞台を徐々にコンピュータへとシフトさせてきました。

今日わたしたちは、キャンバスに絵を描いたり、市場で買い物したり、本を読んだりする代わりに、コンピュータのディスプレイ装置が表示させるユーザーインタフェース画面に向かって絵を描き、買い物し、読書しています。なぜなら、電気によって表現したほうが便利で、電気によって伝達したほうが速いからです。つまり、ホモ・サピエンスが活動時に必要とする化学エネルギー量が少なくて済むのです。

 

とはいえ、CPUやLANケーブルの中で処理されているのは電気信号です。情報は、それら電気信号がホモ・サピエンスにとって意味を持つ仕方で表現されるときにはじめて情報となります。情報・通信のテクノロジーとは、大局的に見渡すなら、情報から信号へのエンコーディング技術であり、信号から情報へのデコーディング技術だと言えるでしょう。

絵を描いたり、買い物したり、読書したりと、ホモ・サピエンスの活動自体は変わっていません。ただ、ホモ・サピエンス同士での情報伝達が、(その複製可能性によって事象の一回きりの生起性という、特定の心的価値づけを犠牲にすることで)ますます早く、ますます密になっているだけです。

 

情報・通信の分類

さて、このような特徴のある情報・通信には、以下の種類があります:

 ・プログラム

 ・通信ネットワーク

1つひとつ見てゆきましょう。

 

 

プログラム

プログラムとは、コンピュータが実行する処理のことです。

ファームウェア、OS、ミドルウェアアプリケーションソフトウェアWebサービスの下位種類があります。

 

 

通信ネットワーク

通信ネットワークとは、信号を伝達するしばしば網状の系のことです。

コンピュータネットワーク電話網放送網無線近距離無線通信などの下位種類があります。

 

 

 

 

・情報・通信は、コンピュータの処理とそれら端末間の通信網だよ
・プログラムと通信ネットワークから構成されているよ
 

さらに知りたいなら…

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WindowsをはじめとするOSの概説からはじまり、マルチタスク、マルチウィンドウ、プログラム間連係などの基本的&マニアックな仕組みを、イラストつきでわかりやすく、けれどしっかりと解説してくれる1冊です。

(わたしも高校時代、このシリーズにはお世話になりました。)

コンピュータはなぜ動くのか(2003年)
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CPU・メモリ・HDDなどの基本的なハードウェアからはじまり、プログラムの実行処理、アルゴリズム、ネットワーク、データベースなどの基本的仕組みを、イラストつきでわかりやすく、けれどしっかりと解説してくれる1冊です。

コンピュータを多面的に学びなおしたい、という方向けですね。

ネットワークはなぜつながるのか(2006年)
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Webブラウザ・TCP/IP・LAN・インターネットなどの基本的な仕組みを、イラストつきでわかりやすく、けれどしっかりと解説してくれる1冊です。

この機会に、日頃お世話になっているネットワークの体系的な勉強をしたい方向けです。

 

つまり…

情報・通信とは

 コンピュータの処理とそれら端末間の通信網

という生産された技術なわけです。

 

情報・通信の主体はあくまでホモ・サピエンスであり、その器官系でもってある新しい意味を、つまりある新しい行動や思考をたえず生み出し、伝達している、という観点は大事じゃな。
ICTは、おそらく、そんなホモ・サピエンスの基本的活動を模した、あるいはサポートする技術なのじゃろう。

歴史のツボっぽくいうと…

【情報】

  • 1950年代
    メインフレームのOS機能
    初期コンピュータであるメインフレームが開発されるが、そこではプログラムやデータの格納されたパンチカードや磁気テープを直接マシンが読み取り実行していたため、タスクの優先づけやデバッグなどOSの基本機能は当時、機械的制御(スイッチやランプ)や人力によって行なわれていた。

  • 1959年
    DBの概念提唱
    W.C.MaGeeが論文「Generalization: Key to successful electronic data processing」を発表、データ重複の回避とシステム拡張の効率化のために源泉ファイル(source file)という概念を提唱する

  • 1961年
    仮想記憶技術の搭載
    アメリカ・バロース社が、仮想記憶(スワッピング)技術を搭載したメインフレーム「バロース B5000」を開発する

  • 1963年
    GUIの登場
    アメリカ空軍の防空管制システム「SAGE」において、GUIが初めて実用化される

  • 1964年
    商用OSの登場
    アメリカ・IBM社が商用OS「OS/360」および「DOS/360」を発表する
    その後「OS/360」はNASAのアポロ計画でも使用される

  • 1964年
    DBMSの登場
    アメリカ・General Electric社のC.W.Bachmanらが、最初のDBMS「IDS(Integrated Data Store)」を開発する

  • 1965年
    初期の組み込みシステム
    アメリカ・マサチューセッツ工科大学のチャールズ・スターク・ドラッパーらが、アポロ誘導コンピュータを開発する

  • 1968年
    ハイパーテキストの登場
    アメリカの思想家テッド・ネルソンと発明家ダグラス・エンゲルハートらが、それぞれハイパーテキストを実装したシステムを開発する

  • 1970年
    リレーショナルDBの概念提唱
    イングランド生まれの計算機科学者E・F・Coddが、論文「大規模共有データバンクのデータ関係モデル」を発表、リレーショナルデータベースの一般理論を提唱する
    以降、DBといえばこのリレーショナル型を指すようになる

  • 1975年
    BIOSの用語登場
    アメリカのコンピュータ工学者ゲイリー・キルドールが、自身の開発したOS(CP/M)の起動時ハードウェアアクセス用プログラムコードに「BIOS」と名付ける
    以降、この名称がハードウェアアクセスのプログラム名として定着する

  • 1979年
    リレーショナルDBの登場
    アメリカ・Relational Software社(現 Oracle社)が、最初のリレーショナルDBMS「Oracle V2」を販売する

  • 1984年
    GUI標準搭載の商用パソコン
    アメリカ・Apple社が、GUI標準搭載のパソコン「Macintosh」(Mac OS)を販売する

  • 1989年
    HTMLの登場
    イギリスの計算機科学者ティム・バーナーズ=リーが、HTMLやHTTPなどを提案しコード化する

  • 1991年
    最初のWebサーバ
    イギリスの計算機科学者ティム・バーナーズ=リーが、最初のWebサーバ&ブラウザ「WorldWideWeb」を公開する

  • 1994年
    32bitカーネルのOS
    アメリカ・Microsoft社が、32bitに本格対応し堅牢なマルチタスク機能備えたOS「Windows NT」を販売する
    2002年には、64bit対応のWindows Server 2003を公開する

  • 1999年
    Java用アプリサーバの規格
    Javaで実装されたアプリケーションサーバの標準規格&APIを定めたJava EE(Java Platform, Enterprise Edition)が公開される

  • 2000年
    EFI仕様のリリース
    アメリカ・インテル社が、高性能・大容量マシンに適用するため、従来のBIOSのプログラム仕様を変更し、EFI仕様としてリリースする

  • 2011年
    UEFI仕様の普及
    EFIから名称を変えたUEFI仕様が、2TB以上の容量を持つハードディスクに対応するため、本格的に採用されはじめる

 

【通信ネットワーク】

  • 1877年
    電話交換機の設計
    ハンガリー生まれの科学者ティヴァダル・プシュカーシュが、トーマス・エジソンのもとで働いていた頃、最初の実験的な電話交換機を考案する
    同年、ベル電話会社(AT&T社)がプシュカーシュの設計をもとに電話効果器を製造する

  • 1891年
    電話交換の自動化
    アメリカの発明家アルモン・ブラウン・ストロージャーが、電話回線切り替えを自動化するステッピングスイッチの特許を取得する

  • 1897年
    ブラウン管の発明
    ドイツの物理学者フェルディナント・ブラウンが、テレビの受像に用いるブラウン管を発明する

  • 1897年
    戦艦への無線機搭載
    ロシア海軍の士官学校共感アレクサンドル・ポポフが、巡洋艦に無線機を設置して電波伝播試験を開始する

  • 1900年
    無線電話の登場
    カナダ生まれの技術者レジナルド・フェッセンデンが、世界で初めて音声を電波に乗せる

  • 1911年
    テレビ送受信の実験
    ロシアの科学者ボリス・ロージングが、ニプコー円盤とブラウン管を用いてテレビの送受信実験を公開する

  • 1922年
    航空無線ステーションの開設
    アメリカで航空郵便向けの無線ステーションが設置される

  • 1925年
    日本初のラジオ放送
    日本のNHKがラジオ放送を開始する

  • 1932年
    テレビ放送の開始
    イギリスで世界初の定期試験放送が開始される

  • 1950年
    日本で電波3法施行
    日本で電波法、放送法、電波監理委員会設置法の電波3法が施行される

  • 1953年
    日本でテレビ本放送が開始
    日本のNHKがテレビの本放送を開始する

  • 1968年
    ハイパーテキストの登場
    アメリカの思想家テッド・ネルソンと発明家ダグラス・エンゲルハートらが、それぞれハイパーテキストを実装したシステムを開発する

  • 1969年
    インターネットの母体
    アメリカ・国防総省の高等研究計画局(ARPA)が、現在のインターネットの母体「ARPANET」を開発・運用する

  • 1970年
    イーサネットの原点
    アメリカ・ハワイ大学のノーマン・エブラムソンが、ハブを用いてハワイ諸島間をむすぶ「ALOHAシステム」を開発する

  • 1972年
    電話通信のデジタル化
    アメリカ・AT&T社がデジタル交換機からなるISDN網を運用開始する

  • 1973年
    RFIDの発明
    アメリカの発明家マリオ・カードゥロが、リーダから給電するパッシブタイプのRFIDを発明する

  • 1973年
    イーサネットの登場
    アメリカ・ゼロックス社のパロアルト研究所のロバート・メトカーフらが、イーサネットを開発する

  • 1979年
    1Gの登場
    日本で移動体通信規格1G(アナログ回線)の自動車電話がサービス開始される

  • 1980年
    国際規格の登場
    ゼロックス社の開発がベースとなり、IEEEにて「Ethernet 1.0」規格として公開される

  • 1982年
    日本のデジタル電話網化
    日本・電電公社(現NTT)がデジタル交換機からなるISDN網を運用開始する

  • 1983年
    TCP/IPの普及
    ARPANETが通信プロトコルをそれまでのNetwork Control ProgramからTCP/IPへ切り替える

  • 1988年
    インターネットの商用利用
    アメリカでインターネットの商用利用が開始される

  • 1989年
    HTMLの登場
    イギリスの計算機科学者ティム・バーナーズ=リーが、HTMLやHTTPなどを提案しコード化する

  • 1991年
    最初のWebブラウザ
    イギリスの計算機科学者ティム・バーナーズ=リーが、最初のWebサーバ&ブラウザ「WorldWideWeb」を公開する

  • 1993年
    2Gの登場
    日本で2G(デジタル通信)が、インターネットにアクセス可能なデータ通信と共にサービス開始される。この頃Eメールや写メも普及しはじめる

  • 1999年
    ADSLの利用開始
    ADSLによるインターネット接続サービスが開始される

  • 2001年
    インターネット接続の多様化
    FTTH、CATV、無線通信によるインターネット接続サービスが開始される

  • 2002年
    3Gの登場
    日本で3Gがサービス開始され、携帯電話によるインターネット閲覧が普及する

  • 2012年
    4Gの登場
    日本で4Gの名を冠するサービスが開始され、携帯電話によるデータ通信速度がさらに高速化する

 

 

<参考文献>(2019/10/09 visited)

情報技術 - Wikipedia
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