簡単にいうと…
液体燃料とは
燃焼反応を生じさせる基体物質のうち、液体状のもの
という自然加工物です。
詳しくいうと…
液体燃料の特徴
液体燃料のメリットは、流量=燃焼調整の容易さにあります。固体燃料よりも細かな単位量を制御できるため、たとえばガソリンエンジン内で燃焼されるガソリンを一定量ずつ小出しに供給するなどが可能です。
他方、液体状ゆえに、タンク車・ポンプ・配管など、固体燃料にはない管理設備とその日常メンテナンスが必要です。
液体燃料の種類
液体燃料には、主に以下の種類があります:
・石油
…動植物の遺骸が地下深くで液体状へ変化したもの、という説が有力で、化石燃料の一種です。
ホモ・サピエンスが現在用いる主要燃料であり、輸送機械や火力発電所を稼働させています。
石油は、異なる温度で蒸留させることで、さらに以下の液体燃料へと分留されます:
・ガソリン
…沸点30℃~180℃の石油精製品。自動車のガソリンエンジン燃料としておなじみ。
・灯油
…沸点170℃~250℃の石油精製品。灯油ストーブ燃料としておなじみ。
・軽油
…沸点240℃~350℃の石油精製品。船舶・鉄道のディーゼルエンジン燃料としておなじみ。
・重油
…沸点300℃~の石油精製品。炭化水素が主成分で火力が強く、大型船舶・火力発電所・ボイラーなどの燃料として用いられます。
・アスファルト
…重油の蒸留後に残った残滓。道路舗装材としておなじみですが、石油由来ゆえじつは燃料としても利用でき、火力発電所の燃料などに用いられます。
・植物油
…菜種など油分を含む植物の実を搾り取ったもの。主に食用油として利用されていますが、かつては灯火用燃料としても用いられており、現在はバイオディーゼルなど、再び燃料用途での開発が行なわれています。
・アルコール
…燃料としては、天然ガスに水素を反応させて得られるメタノールやエタノールなどの化合品が主流です。他方、バイオエタノールなど、果実・穀物の発酵によっても得られます。
以上のように液体燃料、とりわけ石油は、その流量=燃焼調整の容易さと、石油埋蔵量の莫大さから、今日の輸送機械や火力発電所の主要燃料として活躍しています。ただしその枯渇や、燃焼時の二酸化炭素の排出が不安視されており、エネルギーシフトの観点から、植物油の(フライパンの焦げ付き防止に留まらない)活用も研究されています。
さらに知りたいなら…
つまり…
液体燃料とは
燃焼反応を生じさせる基体物質のうち、液体状のもの
という自然加工物なわけです。
歴史のツボっぽくいうと…
- 4世紀頃石油の採掘中国で、石油の採掘にかんする記述が残る
- 9世紀後半荏胡麻油の主流化日本で平安時代、離宮八幡宮の宮司が荏胡麻の搾油機を考案し、神事の灯油(ともしびあぶら)として利用される。
- 12世紀エタノールの抽出イタリアのサレルヌスが、エタノール蒸留を発案したとされる
- 17世紀菜種油の主流化日本で、菜種油や綿実油が灯火用燃料として主流となる。
- 1859年近代油田開発のスタートアメリカのエドウィン・ドレークが、機械掘りで油田を開発する
- 1863年石油企業の登場アメリカの実業家ジョン・D・ロックフェラーが、スタンダード石油社を設立する
- 1876年ガソリンエンジンの登場ドイツの発明家ニコラウス・オットーが、ガソリンで作動する内燃機関(ガソリンエンジン)を発明する
<参考文献>(2019/12/14 visited)