この用語のポイント
簡単にいうと…
船舶とは
水面に浮上したまま推進する乗り物
という技術個体の総称です。
日常的には「船」と呼ばれます。
詳しくいうと…
海辺や川辺では、魚が釣れますが、さらに沖に出れば、もっとたくさんの魚を捕まえることができるでしょう。
また、海の向こうには見知らぬ国や島、大陸が広がっており、交易の拡大、軍事の防備のために、海上移動する手段が必要になります。
このような必要性のため、紀元前4千年以上前から、船大工によってしっかり組み立てられた輸送手段、船が人類史に登場してきました。
分類
6千年前から現代まで、さまざまな仕組みの船が考案されてきました。船の種類のちがいは、船の材質や動力、用途によって異なってきます。
下表は、このうち動力・用途に応じてざっくり種類をまとめたものです:
動力 | 用途 | 船の種類 |
人力 | いろいろ | 櫓櫂船 |
風力 | いろいろ | 帆船 |
熱機関・電動機 | 輸送用 | |
特殊作業用 | 作業用船(破氷船など) | |
漁業用 | 漁船 | |
軍事用 | 戦艦 | |
レジャー用 | その他個人船(ボートなど) | |
いろいろ | ホバークラフト |
いろんな種類の船がありますが、いずれも水面に浮いて推進するという点ではおなじです。
構造と仕組み
船が浮いたり進んだりする仕組みを、その構造と一緒にみてゆきましょう。
浮く
鋼鉄製の巨大船も、沈没することなく水面に浮きます。これはどうしてでしょうか?
答えは、同じくらい巨大な浮力が、上方向へ船体に働くためです。
アルキメデスの原理によれば、浮力は、水を押しのけた体積分だけ押し返されるようにして生じます。
このため船体は、自重(重力)と浮力とがちょうど均衡する深さまで沈みますが、それ以上は沈没しないのです。
横風や横波のせいで船体が傾いても、沈みこんだ体積分だけ多くの浮力が生じるため、船はまっすぎに戻ります。これは復原力と呼ばれています。
推進する
浮く仕組みがわかったところで、次は前進してみましょう。
多くの船では下図のように、スクリュープロペラが、大型化の容易なディーゼルエンジンなどの原動機の力で回転しており、後方に渦を起こすことで推進力を得ています。
操舵する
前進しても、左右に曲がれなければ航行はできませんよね。
船がカーブするには、舵を操作します。
舵は、スクリュープロペラ後方に設置されており、角度を変えることで渦の生じる方向を左右に操作することができ、船体自身の行き先を左右に変えることができます。
探知する/される
大海原は広いため、森の中のように迷子になりやすいです。
そのため、一定以上の大きさの船には、無線設備の設置が義務付けられています。
この装置により、各々の船が無線電波をレーダーアンテナから発することで、お互いの位置や船名を知ることができ、事故防止や救急時対応などに役立ちます。
止まる
港が近づいてきたので、ブレーキをかけましょう。
けれど、船には自動車のような、急に止まれるブレーキがありません。水上なので摩擦力が働かないためです。
減速のため、スクリュープロペラを逆回転させ、前方に向かって推進力をかけることはでき、これで徐々に船を止めることができました。
以上みたように、船にはいろんな種類があり、その操作も独特のものであることがわかりました。こうした仕組みで船は動き、異なる大陸間での貿易が行なわれ、今日食べた魚が捕られ、水上レジャーを楽しむことができるのでした。
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つまり…
船舶とは
水面に浮上したまま推進する乗り物
という技術個体の総称なわけです。
船体の体積が大きいほど大きな浮力を得られるから、船体内部をある程度空洞にすれば重量も比較的抑えられ、巨大船でも水面を浮かぶというわけじゃな。水の挙動を試行錯誤で理解してきたからこその乗り物じゃの。
歴史のツボっぽくいうと…
紀元前4千年前 エジプトやメソポタミア地方で、帆船が使用される。
1807年 アメリカの技術者ロバート・フルトンが外輪蒸気船を製造する。
1858年 イギリスの技術者アイザム・K・ブルーネルが
スクリュープロペラを備えた外洋客船を製造する。
<参考文献>(2019/01/05 visited)