簡単にいうと…
製造機関とは
原材料を加工することで製品を生産する組織
という社会機関です。
物だけでなく食品の生産も含みます。
ほとんどは工場制手工業の株式会社ですが、伝統産業などでは家内制手工業も多いです。
詳しくいうと…
製造とは?
わたしたちを取り囲む、身の回りの品々が、「もし原材料のままの姿だったら…」と想像してみましょう。
まず、この画面を構成している液晶ディスプレイは数十種類の化合物の粒つぶになります。いま着ている服もプラスチック・綿に、デスクは木材・金属に、電化製品の筐体や電子回路もプラスチック・銅・シリコンなどと化し、こうして部屋の中には、無用の粒や塊が散乱することになるでしょう。
これら粒や塊を、わたしたちホモ・サピエンスの使用様式に合わせて化合・成形・構築する、つまり加工するのが、製造の役割です。
製造の対象を列挙してみると、加工食品・飲料・繊維・衣服・皮製品・木工品・陶器・樹脂製品・ゴム製品・ガラス製品・家具・紙・印刷・薬品・石油製品・合金製品・業務用機械・電子回路・家電・IT機器…などなど、枚挙に暇がありません。
製造機関とひとことで言っても、それぞれの製品種ごとに業界があり、企業があり、働く人々がいるわけです。こうした企業が日本だけで何万社もあります。
製造業の仕組み
そんな製造の仕組みは、簡単にいえば、調達⇒加工⇒販売です。
(1)調達
素材を買い集める工程です。安く・納期通りに・高品質な素材を、安定して購買する必要があります。
(2)加工
次に素材同士を組み合わせたり、溶解したり、化学反応させたりして、望ましい形(form)へと変形・変質させます。
この形(form)とは、机や椅子などの文字通りのデザインであることもあれば、加工食品の味や見た目、電化製品の正しい電気信号サイクルのような電磁気的回路、あるいは正しい運動学的動作、正しい熱サイクル、正しい光線反射、正しい音波変換…などなど、製品ごとの望ましい形(form)がありえます。
なお、この加工の工程は、設備投資や研究投資が物を言わせる部分です。設備投資をたくさんすると、一度に多くの製品を、早く、高品質に作ることが可能になります。また研究投資をたくさんすると、誰も思い浮かばなかったアイデアを製品化して市場を開拓することができます。
そのほか、熟練した職人をアサインする、作業工程を効率化する、作業環境を改善する、などなど、改良の余地を多分に含んでいる工程でもあります。
(3)販売
最後に、出来上がった製品を消費者や他企業へ売り渡す工程です。
企業と直接契約して販売したり、小売店へ卸して販売したり、ネット通販で消費者へ直接販売したりと、さまざまな販路があります。
以上のように製造機関は、物・食品を素材から加工して作り上げることで、わたしたちの身の回りの多様な品々を今日も生み出しつづけてくれているのでした。
さらに知りたいなら…
つまり…
製造機関とは
原材料を加工することで製品を生産する組織
という社会機関なわけです。
わしがいま手に取ったティッシュ1枚にも、多くの企業と人々がその製造にかかわっているわけじゃ。多くのアイデア、多くの苦労、多くの機械設備、多くの光熱費を支払って、いまこうしてわしの手元まで届いておるんじゃから、大したもんじゃわぃ。
歴史のツボっぽくいうと…
- 約100万年前加熱調理のはじまり食材を火に直接かけたり、焼石で間接的に加熱する調理が行なわれる
- 30万~3万年前木材の利用ネアンデルタール人たちが石器を用いて木から槍や舟などを作り出す
- 約3万年前パン製造の痕跡すりつぶした植物の根を、水に混ぜて焼き上げた、一種のパンがつくられる
- 紀元前8700年前頃金属の利用メソポタミア地方で、紀元前8700年前頃の純銅製ペンダントが出土される
- 8000年前~6500年前頃織物の発明西南アジアやエジプトで、麻や綿などの植物繊維を用いた織物が発明される
- 紀元前5500年前頃精錬の開始ペルシャで、銅鉱石を加熱して銅元素を抽出する精錬が行なわれる
- 5000年前頃毛織物の発明メソポタミア地方で、羊毛を用いた毛織物が発明される
- 3000~2000年前頃木工技術の発展古代エジプトで木工技術が発展し、斧、釿、鑿、鋸、弓錐などの木工道具が利用される
- 1785年前織物生産の機械化イギリスの発明家エドモンド・カートライトが、織機の機械化に取り組み、以降多くの特許を取得する
- 19世紀前半自動織機の普及イギリスやアメリカを中心に、自動式織機の機械が普及する
- 1935年化学繊維の発明アメリカの化学者ウォーレス・カロザースが、世界初の合成繊維であるナイロンを発明する
- 1947年コンピュータゲームの発明アメリカのトーマス・T・ゴールドスミスとエストル・レイ・マンが、ブラウン管を用いた世界初のコンピュータゲームを開発する
<参考文献>(2020/08/05 visited)