簡単にいうと…
木工品とは
有用な形となるよう加工された木材
という制作物です。
詳しくいうと…
木工品の歴史
人類の加工技術が発揮される媒体として、木材は欠かせないものでした。
中期石器時代(30万~3万年前)にはすでに、ネアンデルタール人たちが石器を用いて木から槍や舟を作り出しており、5000年前には日本の集落で木の建物が確認されています。
以来、今日まで木材は、岩石や粘土と並び、私たちの加工技術の主要な素材であり続けてきました。
木工品の種類
そんな木工品には、たとえば以下の種類があります:
①建築物
②家具
…机、椅子、箱、箪笥、棚、茶碗、箸、ベッドなど
③道具・器械
…柄、骨組み、台など全般
④芸術作品
…欄干、彫刻、寄木細工、楽器など
木工品の木材
木工品に用いられる木材には以下の種類があります:
●堅木
…広葉樹。堅いので、家具や床材などに用いられる。
ex.ケヤキ、ナラ、ブナ、サクラ、マホガニー、チーク
●軟木
…針葉樹。柔らかいので加工が容易。
ex.スギ、ヒノキ、カラマツ、ベイマツ、オウシュウトウヒ
●合板・繊維板
…複数枚の木板を重ねたり(合板)、木材繊維を合成樹脂と混ぜ固めたもの(繊維板)
他の素材(岩石や粘土など)とは異なり、木材は生物です。
このため、木の一本一本に個性があり、それらを均質化したり、選別する目利きが必要とされます。
とりわけ木材は、含水率の変化によって変形する、という際立つ特徴があります。
伐採後に乾かしてゆくと、含水率30%ほどで変形し、そりや変色が現れます。
このため、伐採後は数か月~数年かけてじっくり乾かす必要があります。
木工品の制作
原木から木工品までの制作プロセスは、一般に、切る・削る・彫るです。
…樹木を切り倒し、適度な大きさへカットします。チェーンソー、旋盤、丸鋸盤、鋸、釿(ちょうな)などを使います。
②削る
…表面に滑らかさを生み出します。鉋(かんな)、鑢(やすり)などを使います。
③彫る
…必要に応じて凹凸を与えます。鑿(のみ)、ボール盤などを使います。
以上のように木工品は、その硬く柔軟な繊維構造によって、今日も私たちの家具や建物を形づくってくれているのでした。
さらに知りたいなら…
(←画像クリックでAmazonサイトへ)
木材の解説にはじまり、木工の道具・技法・作品集などを450ページの大ボリュームで収めた1冊です。
木工に興味のある方は家に1冊あると何かと参照できて便利そうですね。目次はこちらのサイトから参照できます。
つまり…
木工品とは
有用な形となるよう加工された木材
という制作物なわけです。
歴史のツボっぽくいうと…
- 30万~3万年前木材の利用ネアンデルタール人たちが石器を用いて木から槍や舟などを作り出す
- 5000年前木造の建築日本の集落で木を骨組みにした建物が建てられる
- 3000~2000年前頃木工技術の発展古代エジプトで木工技術が発展し、斧、釿、鑿、鋸、弓錐などの木工道具が利用される
<参考文献>(2020/05/01 visited)
ジャック・チャロナー(編)『人類の歴史を変えた発明1001』ゆまに書房、2011年