内燃機関

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この用語のポイント

・内部で燃焼させて、運動エネルギーを得るエンジンの総称だよ

簡単にいうと…

内燃機関とは

 熱機関の一種で、内部で燃焼させることで運動エネルギーを得るエンジン

の総称です。

外部燃焼装置などが不要な分、外燃機関よりも比較的コンパクト、かつ種類も豊富です。

ちなみに「機関」は英語のengineの和訳です。なので「内燃エンジン」と呼んでも構いません。

詳しくいうと…

内燃機関とは、その運動エネルギーを得るための燃焼をエンジン部で行うものの総称です。

仕組み

ざっくり下図のような仕組みです:

燃焼を起こすためには、酸素(主に空気)と燃料(ガソリンなど)が必要です。

これらを投入してやると、エンジン内部で燃焼が起きます。点火プラグで火花を生じさせ、空気-燃料混合ガスに着火させる場合が多いです。燃焼によって、ガスの体積が膨張して、いろいろなことが起きます

いろいろなことが起きた結果、運動エネルギーが機械の動きを通してエンジン外部へ伝えられます(主にシャフト(軸)の回転運動)。この回転運動を利用して、車のタイヤが回り、船のスクリューが回り、飛行機やヘリのプロペラが回ります。また、燃焼されたガスは排気されます。車の後ろから出ている煙がその排気ガスです。

 

種類

先ほど、内燃機関のエンジン内部では「いろいろなことが起こる」と書きました。

この「いろいろなこと」を起こしている部品が、ピストンシリンダーやローター(回転子)の場合、そのエンジンは容積型と呼ばれます。

それら部品内での燃焼ガスの体積変化が、めぐりめぐってシャフト(軸)の回転運動エネルギーになるためです。

 

 容積型の内燃機関:

  ・レシプロエンジン

  ・ロータリーエンジン

 

他方、この「いろいろなこと」を起こしている部品が、タービン(羽車)などの場合、そのエンジンは速度型と呼ばれます。

ガスの高速流の中にそれら部品を設置することで、めぐりめぐってシャフト(軸)の回転運動エネルギーになるためです。

また、この速度型の内燃機関ではしばしば、本当に得たいのは運動エネルギーよりむしろ、高速ガス流による(航空機ロケットなどが動くための)推進力である場合もあります。

 速度型の内燃機関:

  ・ジェットエンジン

  ・ガスタービンエンジン

  ・ロケットエンジン

 

・内燃機関は、内部で燃焼させて運動エネルギーを得るエンジンの総称だよ
・空気と燃料を投入して、それでもってエンジン内部で燃焼させて、運動エネルギーと排気ガスが出されるよ
・容積型と速度型に大別されるよ
 

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つまり…

内燃機関とは

 内部で燃焼させることで運動エネルギーを得るエンジン

の総称というわけです。

 

どれだけ車内の静かな自動車でも、そのエンジン内部は燃えておるのか! ちとこわいのぉ。

歴史のツボっぽくいうと…

1680年 オランダのホイヘンスが、火薬を用いた

     ピストンと真空による熱機関の考えを発表する。

1860年 フランスのルノワールが、点火着火型の往復動2ストローク内燃機関を製造する。

1893年 ドイツのディーゼルが、圧縮着火型のディーゼルエンジンの特許を取得する。

1903年 アメリカのライト兄弟が、レシプロエンジン搭載プロペラ機(

     ライトフライヤー号)を開発、世界初の有人動力飛行を成功させたとされる。

1903年 ロシア帝国の物理学者・数学者ツィオルコフスキーが、

     液体燃料ロケットエンジンを構想する論文を発表する。

1926年 アメリカのロバート・ゴタートが

     はじめて液体燃料ロケットエンジンの飛行を成功させる。

1939年 ドイツのハインケル社が、世界初のターボジェットエンジン搭載の

     航空機He178を初飛行させる。

1942年 ドイツが液体燃料ロケットエンジンを用いた

     V2ロケットミサイルの発射に成功する。

     宇宙空間へ到達したはじめての人工物体となる。

1945年 イギリスのロールス・ロイス社が、

     初めてターボプロップエンジン単独搭載航空機の飛行を成功させる。

1947年 フランスのチュルボメカ社が、最初の実用的なターボシャフトエンジン

     開発する。当初は航空機の補助動力装置として開発されたが、

     1950年代になってヘリコプターの動力として利用されはじめる。

1950年代~ 航空以外の分野(戦艦、鉄道、自動車、発電など)で

      ガスタービンエンジンが利用されはじめる。

1959年 西ドイツのNSU社(現在のアウディ社)と発明家フェリクス・ヴァンケルが

     ロータリーエンジンを試作する。

1960年代 ターボファンエンジンが開発される。

 

<参考文献>(2018/09/22 visited)

内燃機関 - Wikipedia